「近くのスーパーでいいよね?」

「ああ」



暑い日差しが照りつける中、私は涼の隣を歩く。

涼は何も喋らないけれど、この無言の時間が気持ちいい。


ぼーっとしながら、公園前を通り過ぎようとしていると。



「涼くん!?」



前方で、手を振っている朝比奈さんが立っていた。

そして駆け寄ってくる朝比奈さん。

私には目もくれず、涼に話しかける。



「メッセージ、送ったのになんで返事してくれないのっ?」



朝比奈さんが涼の手を取って、うるうると聞いている。


なんだ、その感動の再会みたいな雰囲気は。


そう、突っ込みたくなってけど、我慢した。



「面倒くさい」



涼が朝比奈さんの言葉に淡々と返していく。

朝比奈さんはそれでも、しつこく話しかけている。