砂浜に足が着くと、なんだか変な感じがする。

ずっと海の中にいたからかな。

ふわふわ浮いている感じがする。



私は海の家に戻り、荷物をまとめている場所の近くへ浮き輪を置いた。


そういえば、涼はどこへ行ったんだろう。

海でも見かけなかったし、海の家にも見当たらない。

どこをふらふら歩いているんだろう。


私は急に心配になって、涼を探しに行くことにした。



「暑い……」



涼が居そうなところを歩く。

そんな私に容赦なく照りつける太陽の陽射し。

パーカー着てくるの、忘れていた。

こんがり焼けてしまうではないか。

さっさと、涼を見つけよう。

そして、みんなで海の家の焼きそばでも食べたい。



そう思って、涼を探していると。


数人の女の子が、きゃぁきゃぁ言っている声がする。

会話の内容を全部聞き取ったわけじゃないけれど、多分逆ナンしているんだろう。

ちらりと横目で見ると、ビキニを着た女の子たちが長身の金髪頭の男を囲んでいる。


ん?

あの金髪頭には見覚えがあるぞ。