浮き輪も水着も、無事買えた。

明日は海だ。


沈んでいた気持ちは、消えていた。



「涼」

「ん?」

「……今日はありがと」

「お前に礼なんて言われると、鳥肌立つわ」



ひどい、と思ったけど、それは涼なりの照れ隠し、っていうことも分かっているから。

私は笑う。

今日は、涼に助けられちゃったね。


もう一度、涼の背中に『ありがとう』と呟く。