「お前、水着買うな」

「え?」

「水着代を浮き輪にまわせ」

「はあ?」



水着代は私の個人的出費なのに。


それに水着買わなかったら。



「私が泳げないじゃん」

「スクール水着で泳げ」



やだよ。

なにが楽しくて海でスクール水着を着て泳がなきゃいけないの。

仮にスクール水着で泳いでも、バカにされるのは目に見えている。


私が思い切り反論すると、涼は再びため息をついた。



「浮き輪は2つにするからね!?」

「分かったよ」



再び浮き輪を選び始める。


購入したのは、ハイビスカスがデザインされたピンクと水色の2種類の浮き輪。

海って感じの柄だよね。


ちゃんと大人用の大きめな浮き輪を買いました。