「毎年、喰喰は新入生に混じり、凪瀬に入学する。そして、生徒たちとある“契約”を交わす」


パトカーから警察官が降りてくる。


「おい、おまえら何してる!?」


響介はあっという間に近くの屋根に飛び乗ると、私を見下ろした。


「いつだって真実は、記憶よりも残酷だ。俺との思い出も、忘れたままの方がメイのためなんだ…」


そう言って立ち去る響介の背中は、誰よりも悲しげに見えた。