「権利? 害虫を駆除するのに誰の許可がいるの?」


喰喰は再び美花に手をかざす。


「ぐ…っ!!」


今度は鉄格子を破る勢いで、美花の体がねじ込まれていく。


腕も、足も……おかしな方向に曲がりだす。


やがて鉄格子がギギギと音をたて倒れると、美花の体は橋から下へと落ちていく。


「美花っ!!!」


ようやく拘束から抜け出した私が、美花のもとへ駆け寄る。美花をつかもうと、手を限界まで伸ばす。


……ダメだ! 届かない!


橋の下には、電車のライトがのびる。


最後に私が見たのは、涙を流し、病院の方を見つめる美花だった。


グシャアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!