子供特有の直感というか……そのとき、すごく嫌な予感がした。 音は一階からきこえてくる。 恐る恐る階段を降り、リビングへと向かう。 「誰かいるの? お父さん? お母さん? …和哉…?」 ドアのガラス越しに、何かがうずくまり、小刻みに動いているのが見えた。 最初はテレビで見た熊や猿みたいな動物かと思ったけれど、どうやら人のようだ。 ゆっくりとドアを開ける。 強烈な鉄の臭いが、鼻を突き刺す。