あ……行っちゃった。

それにしても……先輩の教室って、2年生だから私の教室と階が違うんじゃないのかな……?

もしかして、わざわざ送ってくれたの……?

優しい人なんだなぁ……。

意外な一面に驚きながらも、自分の教室に入る。

その途端、待ってましたと言わんばかりの勢いで、親友の紗奈ちゃんが飛びついてきた。


「莉子!! あんた瀬名先輩に呼び出されたってほんと!?」


いったいどこから聞いたのか、目をまん丸に見開きながらそう聞いてくる紗奈ちゃん。

この学校、瀬名先輩の噂が回るの早いんだなぁ……あはは……。


「え、えっと……」

「あの瀬名湊に呼び出されるなんて、なんかやらかしたの!?」


な、なんて言えばいいんだろう……。


「……こ、告白……された」

「はぁぁっ!?」


悩んだ末、正直にそう話した私に、紗奈ちゃんが大きな声をあげた。


「告白!?!? あの瀬名先輩から!?!?」

「さ、紗奈ちゃん声が大きいよ……!」


ま、周りのみんながこっち見てる……!


「ご、ごめんごめん……ちょっとびっくりしすぎて……。で?」

「で?って……?」