そして、この3か月の間、私を暗い気持ちにさせるものがあった。

それは・・・『夢』

あの、海の底から私を呼ぶ夢は蒼さんに離れる決意を話してから
頻繁に見るようになっていた。

まるで、私に現実を突きつけるように・・・。


あの夢が現実になるのなら・・・・
    明日、私は泡となって消えるのだろうか


そんな事を考えていると蒼さんがこちらに来るのが見えた。

「蒼さん、どうしました?」

「ああ、明日なんだけど・・・」

私が話かけたことに驚きながら、少し口ごもっていたが意を決した
ように口を開いた。

「明日なんだが、明日一日碧の時間を俺にくれないか?」

「私の時間?ですか・・・。」

「ああ、碧の誕生日だし俺が碧に思い出に残る時間をプレゼント
 したいんだ。
 ・・・ダメか?」

「エッ!全然ダメじゃないです。
 喜んでお願いしたいです!」

私がそう応えると、蒼さんはホッと安心したように息を吐いた。

「ありがとう。
 それと、俺から頼みがあるんだけど___________。」

蒼さんの頼みは意外なことだったけど、私は快く承諾していた。


明日は、とうとう最後の日・・・。