廊下を歩いていれば、


「きゃっ…」


と、目の前で10歳くらいの少女が転んでいるのが目に入った。


あれは………



「ナギ、大丈夫か?」


「その声は、カケルくん…?」



声をかけ、振り向いた少女の目には包帯が巻かれている。



「リンちゃんのお迎えから帰ってきたんだね」


「あぁ…てか、お前1人で何してんだよ、危ないだろ」



この研究所、4人目の能力者のナギはわずか10歳にもかかわらず、力の副作用で視力を失ってしまっている。

目の見えないナギが1人で行動してるのは珍しい。



「リンちゃんに会いに行きたいのに会わせてくれないから、1人で出てきちゃった。ねぇ、リンちゃんはどこ?」