朝になって、どうやら僕のほうが早く目が覚めた。隣で気持ち良さそうに眠る細い肩に僕はなんだか幸せな気分になった。


すると、お腹を空かせた猫が僕に気付いてベッドへ駆け登った為、せっかくの彼女の眠りを妨げるハメとなった。


彼女は小さく欠伸をして、「朝は苦手なの」と髪を掻き上げた。

しばらくはベッドの中でまどろんでいた二人だったが業を煮やした猫がさも抗議的に鳴き始めた為、ようやく僕らはブランケットをはぐ決意をせざるを得なかった。


彼女は「朝食は私に作らせて欲しい」と嘆願したが、昨夜と同じ理由から僕が作ることとなった。彼女には僕が実は料理が嫌いではなく、どちらかと云うと得意な方だと云うことと、彼女にはゆっくり顔でも洗って待っていて欲しいと云うことを丁寧に説明した。


そして快く納得してくれた彼女はタオルを持ってバスルームへと消えた。


僕はその間に先程からうるさい猫へ食事をやり、二人分の朝食を準備した。
勿論、部屋へ戻った彼女に美味しいコーヒーがすぐ出せるようセッティングも怠らなかった。