それつけたの、俺だよ?-六花の恋ー【完】【番外編2完】


「………」

………やっとあえた……?

「……どこかで逢ったことありました……?」

「んー、と言うか、俺、ずっと千波ちゃんを探してたんだ」

「え……わ、わたし、うちの子じゃないんですか……⁉」

まさかの捨て子とか、事件に巻き込まれて行方をくらましていたとか……⁉ 道理でお姉ちゃんと似てるとこがないわけだ!

一気にまくしたてると、藍田くんは一瞬ぽかんとしたあと、小さく噴き出した。

「ごめ……違うよ、そういう意味じゃない。千波ちゃんがそういう境遇なわけでもないよ」

「ほ、ほんとうですか……っ?」

半泣きで訊き返すと、藍田くんは「びっくりさせちゃってごめんね」と言って来た。

「俺、幼馴染の子たち以外では千波ちゃんのほかは、名前で呼ばないよ。割と冷たいって思われてるから」

「……冷たいというか変人だと思われているのでは……」

「俺の幼馴染以上の変人は知らないなあ」

「どんな交友関係してるんですか……」

はあ、とため息が出た。

「もういいです。好きにしてください」