あの電話があった日から数日経つ今でも凛の言葉が忘れられなかった。

「…藤田先生っ!…大丈夫ですか?」


生徒に心配されてしまっていた。

だから今日は早めに切り上げて家に帰って寝ようと思い駐車場に向かう途中…正門に立っている男性の姿があった。

間違えるはずはない…確かにあれは…


「…ち、千秋っ!」


そう呼んだその時、男性が振り返った。

…千秋だった。ここが職場だということも憚らず彼に抱きついた。


「…彩愛っ?」

お互いを確認しあうと、彼を連れて駐車場に停めた車に2人で乗り込んだ。


「…取り敢えず、コンビニでもいきますね。」

車の中は気まづくて、終始無言だった。

「おかえりなさい千秋…」

「ただいま…彩愛……」


あれからいろんな話しをした。

「…あのさ、彩愛は待っててくれたの?」

「…うん、待ってた。」

「ごめんな…こんな俺を待っててくれてありがとう」

でも、彼は突然現れたのかな…。


「彩愛、沢山待たせてごめん。彩愛、結婚しよう」


……今なんて……?


「結婚しよう。」


「…うん…!よろしくお願いします」


そう言うと、彼と唇が重なり…すっごくすごく幸せ…今世界一幸せ者な気がする。

片瀬先生のこと、これからも大好きです……。




   fin.