「……あれ、朝倉さんじゃん。どうしたのこんな時間に、しかも男連れってさ」


そう、月輝の幹部が言うと陽平くんは気づいたみたいで握っている手を少しだけ強く握る。まるで“大丈夫だよ”と言っているみたいに。


「しかも手繋いで、裏切り者の癖にさ幸せそうにして……おまえも気をつけた方がいいよ。裏切られるからな。」


……陽平くんの顔、見れない。どうしよう、もし離れて行っちゃったら。

でもこんな風に言われたらきっと彼らを信じる……よね。そう諦めて手を緩めたのに陽平くんは手が離れないように強く握って来る。

そして淡々と彼らに向かって陽平くんは話し出す。


「……ふっ、それはご忠告ありがとう。けど、安心して。そんな心配いらないから。それにさ、俺の“大切”なやつのこと傷つけんな。わかったら散れよ」


あ、あの……挑発しちゃダメだよ……挑発乗る人いるんだよ。