ドアには【405号室】と書かれていて、表札には【神林】と書いてある。

ピーンポーン━︎━︎━︎…

チャイムを鳴らすと聞こえてきたのは綺麗な女性の声だった。
『…はーい、どちら様?』

「早川、陽平です。」

普通に言った彼だけど、手が震えてるのが分かる……だから彼の手をぎゅっと握った。

『い、今行くわ!待ってて』

以前、陽平くんがしてくれたように安心できるように……。

すると、扉が勢い良く開く。

「…待ってたわ、陽平。」

この人が、陽平くんのお母さん……綺麗な人だ。それになんとなく陽平くんと似てる……。

「うん、久しぶりだね母さん」

彼女の視界に入ってなかった私だけど、隣にいたし手も繋いでいたから気づかないわけがないもの……

「あら、こちらの方は?」

「俺の……彼女 、だよ。」

彼女は目を大きく開いて驚いた顔をする。すると彼女は私と陽平くん2つのスリッパを差し出して部屋に招き入れてくれた。