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その日の夜。
「陽愛、もう眠い?総長室で寝てくる?」
「え……うん、そうする。」
夜中になっても幹部室でお菓子を食べながら過ごしていたけれど、睡魔には勝てないみたいだ。
「みんなおやすみなさい。」
「おやすみー!」
私は、みんなに見送られて総長室へ陽平くんと一緒に行く。
「……陽愛、楽しかったか?」
「うん、楽しかったよ。ありがとう」
陽平くんは総長室に入ってすぐにぎゅっと抱きしめてきた。
「……あのさ、お願いがあるんだけど」
「え?」
「日向会の本当の、総長に会いに行こうか」
彼は少し嬉しそうに笑う。だけどどこか寂しそうな顔をした。



