「良かった……陽愛が無事で…本当にごめん」

「私も言い過ぎました…反省してる。ごめんなさい。」

「元はと言えば俺のせいだから……なんでもするからなんか俺にしてほしいこと言って。」

え……して欲しいことって言われても…
あ、そうだ……してほしいこと。

「……ずっと、隣にいて。ずっと私だけを好きでいて。」

「うん。絶対…離れないよ。今もこれからも陽愛だけだよ。」

「ありがと……陽平くん」

なんだか、霧が晴れていくみたいに心がぽかぽかしてくるのがわかる。だけど急に彼が私から離れた。

「遅いかもしれないけど、倉庫行かね?」

「へ?」

「走るよっ」

そんなことを言いながら彼は私をお姫さまだっこをした。

「お、下ろしてっ!」

そんな願いも、彼には届かないままバイク置き場まで走って行った。