昇くんが去っていったのは良いんだけど、屋上に静かな空気が流れる。
誰も話し出さない。
「……で、なんか話があって来たんじゃねーの?」
しびれを切らした陽平くんはそう彼らに持ちかけ、私を見る。
え……私も何か話せってこと⁈何も話すことないんだけど……だって私、あの日に全部ぶちまけちゃった気がするし
「本当にすまなかった。謝っても謝りきれないことをした……」
「…それは誰に対して言いに来たんだ?その答え次第で俺の態度は変わる」
2人でいた時とは違う顔。さっきまでは優しい穏やかな表情だったのに今は、日向の総長・早川 陽平の顔になっている。
……すごく圧が半端ないけど、しっかり手を握ってくれている。



