…できるなら、穴に入りたいっ
もうここから逃げたい……
「俺は陽と陽愛ちゃんのキス現場を見に来たんじゃなくてね、お客さん連れてきたんだよね。」
「は…もう来たのかよ。」
「俺は予想してたけどね。」
え……誰のことなのかさっぱり……
陽平くんだけじゃなくて私も用があるって誰だろうか。
「ほら、入りなよ。君たち」
「あ…うん。お邪魔します。」
その声で分かってしまう。それが誰の声かだなんて、一瞬で。
入ってきた彼らは私がよく知っている人物だった。
「三間くん」
「三間。」
なぜか陽平くんとハモる。なんでここでハモるんだよ…恥ずかしいじゃないか。
「ははっ…じゃあ俺は行くから。しーっかり話すんだよ〜」
「ん。ありがとう、昇」
昇さんは私にも「陽愛ちゃん、また後でね」と言って手を振りながら去っていった。



