「……お疲れさま、陽愛ちゃん。」
え?な、何が……?
「良かった、陽愛ちゃんが無事で。俺らは帰るわ。」
「うんうん、またなんかあれば呼んでね」
「「「お幸せにね〜」」」
仁くん、響くん、圭介くんが言う。さらに口を揃えて同じことを言って帰って行った。
そして、謎の空気を読んだ昇さん理玖くん庵くん蒼太くんが別々のタイミングで何も言わずに帰って行った。
「……ねぇ、陽平くん。あの、ありがと」
いろんなことに対してお礼を言いたかったのに陽平くんによって遮られる。
……私、陽平くんにキスされてる……⁈
なんで今の状況で⁈
「……陽愛、無事で良かった。良かった守れて。」
「陽平くんも無事で良かった……怪我ひとつしないなんてすごいね。……私、陽平くんのことが好きだよ、大好き…っ」
“好き”が溢れていく。
陽平くんへの“好き”がたくさん溢れていく。
「帰ろ。」
私と陽平くんはどちらからとか関係なしに手を繋いだ。



