「陽平、早く行って来いよ。わかってるんだろう?」


昇にそう言われ、背中を叩かれる。


「……よし! 行って来い! 陽愛ちゃんが待ってるよ。何かあれば連絡しろ。ここは片付けとくから。」


そう喝を入れられて部屋を飛び出した。学校を出た俺は、陽愛の姿を探した。

前いた海へ足を進めるけど……彼女はいない。くそっ……どこにいるんだよ。

1つの悪い考えが浮かぶ。だけどそんな確証なんて1つもない。

するとスマホが鳴る。表示される名前に安堵した……だけど、その相手は彼女じゃない。


『こんにちは、日向の総長早川くん。君のお姫さまいただきました。』