「君、やけに俺のメガネに突っ込むよね。そんなに似合わないかなぁ…」
ふてくされたような声色で呟く。
それ、全く見当違いなんですけど。
でも教えてあげない。メガネを外した先輩は私だけが知っていれば良い。
あの吸い込まれそうな綺麗な瞳で沢山の女の子をメロメロにされたら、たまったもんじゃない。
「先輩はそのままでいて下さい」
先輩の顔を覗き込んでとびっきりの笑顔で言ったのに。
「なんかバカにされてる気がするな…」
先輩は不服そうな顔をしていた。
これから先も、ずっとその素顔の素晴らしさに気付かないでほしいな。
他の女の子も、先輩自身も。



