先輩、私だけに赤く染まって


一瞬ジト目でこちらを見て、釘を刺してからそう言った。


「え!私もバスケ部でした。凄い、こんな偶然あるんだ」


確かに今の先輩を見る限りバスケ部は意外って思うけど。


メガネを外した先輩はあんなにカッコいいんだから、きっと騒がれてただろうな。


「そうなんだ、じゃあ試合のとき見てたかもね」


「うわ、見てみたかったな。先輩の中学時代」


男子の試合なんて同じ学校の男子の応援でしか見たことなかった。


「今と対して変わんないよ」


「そのときからメガネ掛けてたんですか?」


普通に質問したつもりだったのに、先輩は眉を潜めてジッとこちらを見た。