先輩、私だけに赤く染まって


「え、ここ?」


もう私には見慣れた場所になった、図書室。


「今日俺、図書当番なんだけど、もう一人の委員が欠席しちゃって。杉野さん手伝ってくれない?」


ああ、そういうこと…。


放課後、先輩とお出かけ出来るなんてちょっとでも期待した自分が恥ずかしい。


「もちろん良いですよ。この間は先輩が手伝ってくれましたし」


でも、先輩が捨て犬みたいな顔をして頼んでくるから断れるわけがない。


それに先輩と一緒にいれるなら何処だっていいんだ。


会う予定がなかった日に会えただけで嬉しい。


初めて先輩と話したカウンターで、また私たちは仕事をする。