先輩、私だけに赤く染まって


あ、やっと赤くなった。


「すみません」


図書室でどんな会話してるんだ、私たちは。


一旦その会話から離れるために先輩にメガネを返して私は前を向いた。


先輩は何にも言わない。突拍子もない私の言葉にドン引きしたのかもしれない。


気付けばもう六時になるところだった。


図書室を閉める準備をしようと、椅子から立ち上がったとき。


「してみる?」


座ったまま私を見上げる先輩が突然言った。


「え?」


私の中ではもう終わった話だったから何のことか全然分からなかった。


それがキスの話の続きだと察したときには引いた顔の熱が再び昇ってくる。


「なんてね、冗談だよ」