「本当だよ、早く帰りたかったのになぁ」
「でもほら、内申点とか上がるかもよ?」
フォローするように言われたそれに、私は顔を上げる。
「確かに!それは嬉しいかも」
こんなことで調子が戻るんだから、私も現金な女だ。
「じゃあね穂乃果、また明日」
HRが終われば掃除をして、委員会。
涼子とは掃除場所が違うからHR後に会うことはない。
チャチャッと掃除を終わらせた私は、少しだけ緊張しながら図書室へ向かった。
思えば図書室に入るのなんて、入学直後以来、二回目かも…?
かなり新鮮に感じる。
図書室には委員長らしき先輩と、チラホラと何人かしかまだ集まっていなかった。