先輩、私だけに赤く染まって


花火は第二弾が上がっていて、先輩の言う通り綺麗に見える。


低い花火は少し隠れてしまうけど、花火の醍醐味は大きな打ち上げ花火だから全然良い。


それに意外とここに目をつける人はいないのか、人はチラホラといるものの屋台通りほどの騒がしくないのが尚更良かった。


「凄く良いですね、ここ。よく見つけましたね」


土手の一番上のコンクリートの部分に座る。


ハンカチをお母さんに持たされて良かった。コンクリートだから汚れることはないと思うけど、ないよりあった方がいいだろう。


「来るときにここ通って、もしかしたら花火見えるんじゃないかと思ってたんだ」