先輩、私だけに赤く染まって


どちらにしても今はまだ、結論を求める気はなかった。


先輩と一緒に来れたせっかくの夏祭り。気まずい感情なんて無しに、楽しみたい。


私たちが始まるのか、終わるのか。それを確かめるのは今じゃなくていい。


「夏休み、何してました?」


屋台が立ち並ぶ通りを二人で歩く。


そういえば先輩の私服を見るのって初めてだ。


全然ダサくなんてない。むしろ私好み。


先輩って意外となんでもそつなくこなすよな。


「んー?勉強しかしてないな」


そっか、受験生だもんな。今日無理やり呼んだの、やっぱりダメだったかも。


「だから外に連れ出してくれてありがとう。良い息抜きになるよ」