先輩、私だけに赤く染まって


男たちがいなくなるのを見送って、先輩が私の肩を離した。


触れていた場所がジンジンと痛む。私を守るために、先輩が与えた痛み。


それはきっと痛覚の意味だけじゃない。


「助けてくれてありがとうございます」


「本当に。もう少し気を付けてよ」


眉をハの字に下げて深く息を吐いた。


元はと言えば先輩が私を待ちぼうけにするから。


だけど今ここに居てくれるから、そんな不満は吹っ飛んだ。


「先輩こそもう来てくれないかと思いました」


「うん…、ずっと連絡しなくてごめんね」


それにはどんな意味が込められているんだろう。


今日来てくれたということは覚悟がついたのか、それとも私を一人でお祭りに行かせるのが不憫に思えて仕方なく来たのか。


その優しさに漬け込んだのは紛れもなく私なのだけど。