一気に心拍数が上がって、多分私の顔は真っ赤になってるだろう。
「君があの男の子とヨリを戻したと思ったら気が狂いそうだった」
あの男の子とは、和樹のことを指しているんだろう。
私が和樹と話すのをあんまり乗り気じゃないなとは思っていたけど、
あのときから、そんなに。私のことを想ってくれていたんだ。
段々と先輩の言っている意味が分かってきた。
確かに先輩はおかしいかもしれない。だけど先輩が持つ強すぎる愛を嬉しいと感じる私もおかしい。
「ほら、やっぱり重いでしょ」
「いや、すみません。自分がこんなに不埒な感情を持っているとは…」
私の言葉に不思議そうな顔をする。
マイナスな感情を微塵も持たなかった自分に驚く。それどころか昂りを覚えているなんて、先輩には言えない。



