先輩、私だけに赤く染まって


迷わずその隣に座る。


「君こそ分かってないよ。嫉妬なんてそんな可愛いものじゃなくて、本当にダメなんだ俺…おかしいから」


私はさっき図書室で見た先輩の顔を思い出していた。


村田くんと私に向けられたあの顔。あれも、先輩が言うことの一つだったのかな。


「おかしいって?」


「君が誰か他の人と、なんて考えるだけで…ソイツを殺してやりたい」


初めて聞いた冷ややかな声に、背筋にゾクッと震えが走った。


だけどそれは決して先輩の言葉に怯えたわけでも、引いたわけでもない。


何と表現したらいいか分からない。物騒なことを言っているのに、体の奥が疼いた。


内側から、ゾクゾクと熱が込み上げてくる。