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先輩が私のもとからいなくなったときこそ泣いてしまったけど、この間のようにボロボロに泣き崩れはしなかった。


むしろ余計に燃えていた。


先輩は馬鹿だ。私を突き放したかったのなら、好きだと言うべきじゃなかった。


好きだと言われて、両想いだと分かって、それなのに素直に諦める人はいないだろう。


私はあれから毎晩先輩にメールを送っていた。


何でもない日常会話や、好きですって送ってみたり、諦めませんからねって脅しまがいのことまで毎日懲りずに。


先輩から返事が来ることはなかったけど、律儀に毎回既読が付いた。


いつかブロックされるんじゃないかと思っていたけど、未だにその様子はない。


私との繋がりを絶っていない時点で、先輩は無情になりきれていないんだ。