◇◇


「…色仕掛け?」


「真面目に答えてよ…」


涼子に聞いたのは間違いだったかもしれない。


好きな人に妹のように見られたこと、きっと涼子はない。


「ごめんごめん、先輩にはむしろ逆効果かもね」


その言葉に私はハッとする。


今までの記憶を思い返しても、先輩にとんでもないことを言っている自分しか思い出せない。


先輩にカッコいいと言ってしまったり、メガネを外してくださいってお願いしたり、昨日なんかは抱き締めてって言ってしまった。


色仕掛けまでとはいかなくても、相当なことを言っている。


もしかして先輩、引いてたのかな…。


見た感じではそんな素振りなかったけど。