先輩、私だけに赤く染まって



そんな時間に終わりが来たのは突然で、先輩が私の肩を突き放した。


あまりに勢いのあるそれに驚いて先輩の顔を見ると、先輩は全く別の方向を凝視していた。


「え、なに…」


つられて視線の先を追うと、公園の柵にしがみ付いてこちらをガン見している女の子。


急いで先輩から距離を取る。


全然気付かなかった。いつからそこにいたんだろう。


しかもあの子、見覚えある。多分近所に住んでる小学生だ。


私たちに気付かれたと分かると、女の子は走って逃げて行った。


微妙な空気だけが私たちの間に残る。


終わり方がこれって、一体どんな顔をすればいいんだ。