しかもそんなに急いで。
私の為を思ってしてくれた行動に胸が弾む。
「それでさ…、あの子とあんまり会わないようにしなよ」
ミルクティーを飲んでいた私が先輩の方を向くと、目が合ってすぐに逸らされる。
それを不思議に思いながらも、私は自分の考えを口にする。
「私も会いたくないです。でも、このままで良いとも思ってないんですよね」
「…そうだよね、ごめん」
目を合わせてくれない。どうして先輩が謝るのか分からない。
「どうして先輩が謝るんですか?」
私の言葉に先輩はたじろいだ。そして深くため息を吐く。
いつも以上に、何を思っているか掴めない。
「いや、ごめん。それより八木さんにこの話は?」