気になりながら自分の席に再び座ると、丁度先輩が戻って来た。
その息は切れている。
一体どこにそんなに急いで行って来たのか。
その答えは先輩の手を見てすぐに分かった。
「はい、これ」
ご丁寧に蓋を開けてから渡されたミルクティー。
前に先輩が買ってくれたのと同じもの。
泣き腫らして喉がカラカラに乾いていること、気付いてくれたんだ。
「ありがとうございます」
今度はちゃんと先輩の目の前で飲む。
取っておきたいなんて考えるよりも喉を潤したい気持ちの方が強かった。
「はあ…階段ダッシュなんて久しぶりすぎて疲れたよ」
うちの学校には一階にしか自販機がないから、そこまで買いに行ってくれたんだ。



