先輩、私だけに赤く染まって


「そして卒業式の前の日、香織と仲が良かった男子が私に教えてくれました。あれは全部和樹を手に入れる為の香織の策略だったと」


今更何を言われても驚くことはなかった。


もう私と香織の仲は修復不可能なほど壊れていたし、なによりもう二度と関わりたくなかった。


和樹だって香織に騙されていたと言われればそうだけど、私のことを全く信じなかった人のことを嫌うようになったのは当然だった。


「あれから一度も和樹と話さないまま、中学校を卒業しました」


そして無事に今の高校に合格した私は、新しい学校生活をスタートさせた。


運良く同じ中学からの今年の合格者は私だけ。


「涼子みたいな良い友達も出来て、高校生活は本当に楽しかったんです」