先輩、私だけに赤く染まって


「やっぱり浮気してるんだろ、立ち上がった和樹はそう叫びました」


正に私には青天の霹靂。


とにかく怖かった。あんなに怒っている和樹は見たことがなかった。


何を言っているか全く分からず、身がすくんで何も言うことが出来ない。


「怯える私に、香織が教えてくれた、とそう言いました」


突然香織の名前が出て来たことに、私は更に混乱する。


教えてくれた、って何を?


「何のことか分からないって反論すると、余計に和樹の怒りが増していくのが分かりました」


私は無意識に座ったまま後退りしていた。


そんな私を和樹は怒りを含んだ目で見下ろす。