「大丈夫。何があっても杉野さんの味方だよ」


私の気持ちを知ってか知らずか、温かい言葉をかけてくれる。


その大きな手が私の頭を撫でた。


「でも今日は疲れただろうから、家に入りな。明日の放課後、教室に行くから」


そう言って私の背中を押した。


私のことを考えての気遣いに、素直に応じる。


別れる間際目を合わせた私たちは、離れたくないとお互いが望んでいたように思う。


先輩の気持ちなんて全く分からないけど、このときだけは通じ合っていた気がした。