軽快な電子音によって僕の意識は夢から現実へ引き戻される。手探りで音の正体を掴み、寝ぼけ眼でそれを見る。手に取ったスマホにはアラームと表示されており、今の時間を表示している。僕はスライドしてアラームを止めると大きく伸びをして起き上がる。本当はまだベッドで横になり「あと5分…」と二度寝をしたいのだが、自分で起きないとあの子が部屋に入って来る。
 僕はカーテンを開けて窓を開けると暖かな日差しを浴び、爽やかな風が部屋に入る。今日はいい天気になりそうだな、と考えていると背後のドアからノックが聞こえた。

「お兄ちゃん、起きてる?」
「おはよう、光莉(ひかり)ちゃん。起きてるよ」