甘えた仕草で、父の腕に身体を回した。
(……温かい。お父様は、ここに生きている)
前世では、父とは疎遠になっていた。
反乱軍に殺されたらしいということしか聞いていなかったのだ。
前世では、父の死を聞いてもさほどショックではなかったけれど、今は、この体温が失われていないことに安堵する。
「そうだね。それならば――今の家庭教師の先生に学ぶべきことを学んでからだ。一度にたくさんのことは詰め込めないからね」
けれど、父の答えはレオンティーナの望んでいたものとは違っていた。すぐに家庭教師をつけてくれると思っていたのに。
(……でも)
それならば、勝算はある。
女性として学ぶべきことをきちんとやったら、新たな家庭教師をつけてくれるというのだから、父との交渉は成功と言ってもいい。
前世では、国最高の淑女と呼ばれたほどだ。女性として必要なことくらい、すぐに学べるだろう。
――あとは、家庭教師にレオンティーナの実力を知らしめるだけだ。
至高の座につくためならば、なんでもできる。
(……温かい。お父様は、ここに生きている)
前世では、父とは疎遠になっていた。
反乱軍に殺されたらしいということしか聞いていなかったのだ。
前世では、父の死を聞いてもさほどショックではなかったけれど、今は、この体温が失われていないことに安堵する。
「そうだね。それならば――今の家庭教師の先生に学ぶべきことを学んでからだ。一度にたくさんのことは詰め込めないからね」
けれど、父の答えはレオンティーナの望んでいたものとは違っていた。すぐに家庭教師をつけてくれると思っていたのに。
(……でも)
それならば、勝算はある。
女性として学ぶべきことをきちんとやったら、新たな家庭教師をつけてくれるというのだから、父との交渉は成功と言ってもいい。
前世では、国最高の淑女と呼ばれたほどだ。女性として必要なことくらい、すぐに学べるだろう。
――あとは、家庭教師にレオンティーナの実力を知らしめるだけだ。
至高の座につくためならば、なんでもできる。



