嬉しそうに話す瑠南に対して死ぬほどそっけない母さん。
もうちょっと笑ってあげて欲しいんだけど。
まぁ、瑠南も慣れてるからこんな馴れ馴れしいわけなんだけど……。


「何時に出るの?」
「……瀬那、何時に出るの?」


じっと俺のことを見つめている低身長2人。


「もう来るんじゃね?」
「だって、菜那ちゃん」
「ふぅん。いてら」


ポケットの中のスマホが震える。
瑠南の母さんからだった。


『ついたよ(^^)』


……若いないつも。


「瑠南、ついたって。行くけど」
「はーい。じゃあね、またね?」
「うん、ご飯作って待ってるから」


ひらひらーと手を振って家を出る。
スニーカーを履く俺の隣で、ベルトの色に合わせたワインレッドの厚底スニーカー。そんなのうちにあったっけ?
いつものキャップをかぶって、耳には知らないうちにピアスが一通り付いていて。
……俺は普通に、学校用の透明ピアスをつけてるけど。
いや、だって、ほぼ移動だし。