ブツっと切られる。
……2時間後まで起きていてくれるかが心配だけど、とりあえず頼るしかないから頼る。
うちの親でもいいんだけど、とにかくあの人たちは電車で移動するザ・都会人間だから車がない。


駅からスタジオまで遠いから、車をお願いしたいな、と思ったら瑠南の家の人に頼むしかないからどうしようもない。
……めちゃくちゃ申し訳ないと思ってる。


「瑠南、そろそろ起きて。
着替えなきゃ間に合わないって」


全然そうでもないけど煽っていく。
とりあえず、どんな形でもいい。起きてくれれば。


「……ん」
「起きて。早く起きなきゃ顔作るんだろ?」
「……せめて、化けるって言って」


掠れた声でそういうと、だきまくら越しにじっと俺を見る。


「……てか、風呂入んなきゃじゃん。マジで早く起きて。間に合わないって」
「んー……起きた」
「とにかく目を開けろ。はい、立ち上がって風呂直行」
「……ん、んんん」
「着替えは用意しとくからマジで早く入ってきて」
「ん……」