「何作るんだっけ?」
「最近なかったから恋愛系かなーって」
「あー、軸は?」
「えーっと、メロディーが……久々にサビの大筋から作って、楽器のイメージもなんとなくつけたんだけど」


つらつらと喋り続ける瀬那。
共有された瀬那のパソコンの画面に打ち込み済みの音階が並んでいる。


んー。とにかく、作曲はそこまで難しいことはわからないから変な返しになっちゃうのが申し訳ない。
脳内再生でなんとなく楽譜を確認する。


こう言う時は、やりたくないとか言いながらピアノ辞めなくてよかったなって思う。
……まぁ、瀬那がやってるの見てかっこいいなって思ったから続けてたんだけど。


「どーすればいい?」
「えーっと、とりあえず……メロディラインの……何音目だこれ。1番高いところ」
「うん」
「そこから3音分、2つ上にしなきゃ盛り上がりに欠けるかな?
歌詞によるかも……?」
「あーね……あー。了解、そっか……」