というか、練習は9時から始まるからそれまでにレッスンスタジオまで40分かけて行かなきゃならない。20分前には絶対ついてないと、俺の体が追いつかないし、そもそもホントは30分前に着くのも遅いくらいなんだけど……。


まぁとにかく8時30分には家を出る。瑠南の声が本調子になるのは起きてから最短2時間はかかるし、そろそろ起きて欲しいんだけど。


「……無理かなぁ」


俺はとりあえず瑠南の母さんに電話をかける。


「もしもし」
『もしもし……その声は瀬那くんかなー……』
「はい、すいません、今日は瑠南家に泊めちゃって」
『あー……そうなの。まぁ、瑠南が無事ならなんでもいいのよー……。瀬那くんなら、安心だし……。
今日はお仕事……?』
「朝からレッスンして、昼からは収録です」
『車いる?』
「お願いしたいです」
『わかった〜。んー……と、2時間後で間に合う……?』
「ほんとにすいません。それくらいでお願いします」
『了解です〜。それくらいにおうち行きますねー』