「なんで〜?」
「なんでも。ダメ?」
「ダメじゃない、けど」
「じゃあいいでしょ」


カバンを下ろして深優が定位置、俺のベッドの上に座り込むのを見届けて、俺は深優の隣に座る。


「蒔唯くん、せっかく優しくしてくれてるのに」


深優はクッションを抱きしめて俺を見つめる。


……わかってるくせに、なんなんだろう、こいつ。


「……辞めないなら、辞めるって言うまで深優が嫌がることするよ?」


俺は深優を押し倒した。
深優は顔色一つ変えないで笑っている。
いつものこと、だから。


いっつも俺が嫌って言って、いっつもそれに深優は合意しなくて。
それでいっつも、深優が折れるまで抱き潰すのが、いつものこと。


「……深優」
「快斗はさ、ずるいね?」
「どっちが」


俺はそう言って、深優の唇にキスを落とした。