がんばれ、と、ちょっと惹かれ気味に言われたのは少し無視した。
輝星くんに貢ぎたいんだ、私は。


どうしよう。惜しいけどピンチェキ……っていいのかこれは。ついんず。だけ映ってもらう?
えぇ、でも私も写りたい〜。スリーショット欲しい……。


「もう降りるよ」
「あ、うん」


自分が起きる駅についたことすら気づかないでついんず。に想いを馳せてしまっていた。
慌てて琉星について降りると、改札の向こうに見覚えのある人影が。


「あ、え?瀬那じゃん」


壁にもたれてスマホに視線を落とす瀬那。


「うん。呼んだ」
「え、なんで?」
「俺より嬉しいでしょ?」


ニコッと笑って、私を返してくれる琉星。
最後に耳元で「早く戻ってね?」と茶化すように言って手を振った。