「ん?」
「今日家誰もいないんだけどさ」
「……うん」


瑠南はいつものように外をじーっと眺めながら、ボソボソと話す。
テンションが下がった時の瑠南はいつものアニ声は少し低い。


「鍵忘れたから開けてくれない?」
「あぁ、うん。今日鍵持ってないから一旦俺の家寄って」
「わかった」


こういうとき。
泊まっていく?みたいな選択肢は、俺が瑠南の家の鍵を持っているから絶対に上がらない。
一瞬期待したけど、あ、そういえばって2秒後には萎えるのが関の山。
残念すぎる。


「璃叶は?」
「琉星の家でお泊まり会だって。輝星くんと」
「あーそーなん」


……関西なまりが出てしまった。
やばいやばい、気抜きすぎた。


「私も行きたい」
「普段からあいつらがイチャイチャしてるわけじゃねーだろ?キャラ付けだから実際付き合っているわけでもないし」
「まぁそうなんだけどさ?でも2人とも頼んだらしてくれるよ?」