瑠南はスマホを開いてスケジュールを確認する。
予定とかは全員で共有しているカレンダーに入れているから、瑠南の仕事の詰まり具合が見て取れる。


最近、モデルの撮影も増えてきて、瑠南の忙しさが極まれる。
そこに、曲作ったり、楽器の録音したり、映像とか音声の編集、メイク・衣装の提案とか。できることが多い分、やることが多い。


仕事としての予定が1番埋まっているのは深優だけど、瑠南はオフの日もオフじゃないから、しれっとブラック企業に勤めてると思う。


「とりあえず、約束通り帰りのアイスは奢るね」
「やったね」


その後の体育祭は、まぁ、瑠南が編成されたリレーが負けるはずもなく。
ただ、人数的にフリなことが多くて全体では2位という惜しい結果に。


瑠南はちょっとだけ悔しそうにしていたけど、自分は全部1位だったから、もうどうしようもないけれども。


「瀬那」


帰り道。いつものごとく電車の中。
マスクをつけて顔を隠してはいるけど制服姿で、毛先が担当カラーになっている俺たちは身バレなんて速い。少し不安。