ズッと、鼻をすする音。
ポタポタと涙が落ちてきて、唇は強く噛まれている。


「ごめん、ほんとごめん。そういうのじゃないから。
琉星たちに見られてんだって、カメラあるから」
「……ほんと?嘘だったら?」


至近距離、もう少し動いたら唇が触れ合う距離で、瑠南は涙声で呟く。


「マジマジ。澪男だし、他の女と話すの楽しくないし」
「証拠は?」
「棚の上と、窓のとこと、机のとこ、カメラあるから。作業部屋で琉星と澪がこれ見てるし」


瑠南は泣き顔のままで徐に立ち上がると、カメラを探して、3つとも持ってくる。


「……単純に瀬那が浮気し始めたのかと思った」


瑠南はその場にしゃがみ込んだ。
ガチャッと琉星と澪が現れる。


「あのさ、さすがにあそこまでマジな感じになられると動画がアップできないんだけど……」
「……こんにちは」


俺は瑠南のベッドの上で撃沈。
きつい、怖い、単純に公開になりそうだったのが怖い。